第3部:長引く停電への備え|復旧後の通電火災を防ぐ

防災・防犯
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停電が数時間、あるいは一晩以上続くと、暗さだけでなく、スマートフォンの充電、冷蔵庫、暑さ・寒さ、断水など、生活への影響が広がっていきます。

さらに注意したいのが、電気が復旧した直後です。倒れた暖房器具や傷んだコードに再び電気が流れると、火災につながることがあります。停電中も復旧後も、慌てず順番に確認することが大切です。

この記事で分かること

  • 長期停電で優先すること
  • スマホの電池を長持ちさせる方法
  • 冷蔵庫と食品の扱い方
  • 夏・冬の停電で気をつけること
  • 携帯発電機を安全に使う注意点
  • 復旧後の通電火災を防ぐ確認手順

停電が長引いたら、まず生活に必要な電気を絞る

停電が長引きそうなときは、残っている電池や電源を「連絡・情報・安全」のために優先して使います。動画視聴やゲームなどは控え、スマートフォン、防災ラジオ、照明、医療機器など、家族にとって重要なものから守りましょう。

スマートフォンの電池を長持ちさせる

  • 画面の明るさを下げる
  • 省電力モードを使う
  • 使わないアプリやBluetoothを停止する
  • 必要なとき以外は画面を消す
  • 家族全員が同じ情報を何度も検索しない
  • 電波が不安定な場所では、必要に応じて機内モードも活用する

家族で決めておきたいこと
情報収集用のスマートフォンを1台決め、ほかの端末は電源を切る方法もあります。ただし、家族が別々に行動する可能性がある場合は、連絡手段を残してください。

冷蔵庫はむやみに開けない

停電中に冷蔵庫を何度も開けると、庫内の冷気が逃げます。まずは扉を閉めたままにし、必要な物を取り出すときは家族分をまとめて出しましょう。

  • 冷蔵庫・冷凍庫の扉をできるだけ開けない
  • 保冷剤や凍らせたペットボトルを活用する
  • クーラーボックスへ移す場合も、開閉回数を減らす
  • においや見た目だけで安全を判断しない
  • 温度が上がった生ものや傷みが疑われる食品は無理に食べない

厚生労働省は、冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫はマイナス15℃以下を維持することを目安としています。停電で温度が上がった食品は、もったいなくても安全を優先してください。

夏と冬では、停電時の危険が変わる

夏の停電

  • こまめに水分を取る
  • 日差しを遮り、風の通り道をつくる
  • 濡らしたタオルや保冷剤を使う
  • 高齢者・乳幼児・体調不良者を優先する
  • 危険な暑さなら、電気が使える安全な場所への移動を検討する

冬の停電

  • 一つの部屋に集まり熱を逃がさない
  • 重ね着、毛布、帽子で保温する
  • 窓や床からの冷気を遮る
  • 汗をかいた服は早めに替える
  • 燃焼器具は説明書に従い、換気と火災に十分注意する

マンションでは断水や設備停止にも注意する

停電すると、建物によっては給水ポンプ、エレベーター、オートロック、機械式駐車場などが動かなくなる場合があります。水が出るうちに浴槽や容器へ生活用水を確保し、飲料水とは分けて管理しましょう。

エレベーターは使わない
一度復旧しても、再び停電する可能性があります。管理会社や自治体から安全が確認されるまでは、できるだけ階段を利用してください。

携帯発電機は屋内で絶対に使わない

ガソリンなどを使う携帯発電機の排気には、一酸化炭素が含まれます。一酸化炭素は目に見えず、においでも気づきにくいため、屋内、自動車内、テント内では絶対に使用しないでください。

  • 屋外の風通しのよい場所で使用する
  • 窓・ドア・換気口から十分に離す
  • 雨や水がかからない場所に置く
  • 取扱説明書を確認する
  • 自宅配線へ自己判断で接続しない

NITE(製品評価技術基盤機構)は、携帯発電機を屋内で使用すると一酸化炭素中毒のおそれがあり、死亡事故も報告されているとして注意を呼びかけています。

避難するときは、熱を出す家電を確認する

停電したまま家を離れる場合、アイロン、電気ストーブ、ドライヤー、トースターなど、熱を出す家電のスイッチを切り、可能ならプラグを抜きます。災害による停電で避難するときは、安全を確認したうえでブレーカーを落とすことも検討してください。

命の危険が迫っている場合は、作業より避難を優先してください。
浸水した場所、濡れた分電盤、切れた電線には近づかず、電力会社や消防へ連絡します。

電気が復旧しても、すぐ全部の家電を使わない

照明がつくと安心して、すぐに家電を動かしたくなります。しかし、災害後はコードの損傷、水濡れ、家具の転倒などが起きている可能性があります。安全を確認してから、一つずつ電源を戻しましょう。

復旧後の安全確認7項目

  • 焦げたにおい、煙、異音がない
  • 電源コードが家具の下敷きになっていない
  • 家電やコンセントが水に濡れていない
  • 電気ストーブなどの周囲に燃えやすい物がない
  • 家電本体に破損や変形がない
  • ブレーカーを戻す前に家電のスイッチが切れている
  • 復旧後しばらくは、煙や異臭がないか見守る

異臭・煙・異音・火花などの異常があれば、使用を中止してブレーカーを落とし、消防や電力会社、専門業者へ連絡してください。見た目に異常がなくても、時間がたってから火災につながる場合があります。

長期停電に備えて用意したいもの

停電が長引いてから買いに行こうとしても、店舗の休業や在庫切れで手に入らないことがあります。平常時に家族の人数と住環境に合う物を準備し、定期的に動作確認しておきましょう。

1.ポータブル電源

スマートフォンだけでなく、照明や小型家電の電源も確保したい家庭に向いています。必要な出力と容量、使用予定の機器、保管方法を確認して選びましょう。


2.クーラーボックス・保冷剤

冷蔵庫の温度上昇に備え、食品や薬などを一時的に保冷するために役立ちます。保冷剤は普段から冷凍しておくと、停電時にすぐ使えます。

3.充電式ランタン

部屋全体を照らすランタンがあれば、食事や家族の待機場所を安全に確保できます。乾電池式と充電式を組み合わせると、電源が切れたときにも対応しやすくなります。

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迷ったら、まず「電気をつくる物」より「電気を使わない備え」から

ポータブル電源は便利ですが、ランタン、乾電池、飲料水、非常食、保冷剤、毛布なども欠かせません。家族が何時間・何日過ごす想定なのかを考え、無理のない範囲で少しずつそろえましょう。

家族で確認する長期停電チェックリスト

  • スマートフォンを省電力設定にした
  • 冷蔵庫の開閉を減らした
  • 飲料水と生活用水を分けて確保した
  • 夏・冬に応じた体温管理を始めた
  • 携帯発電機を屋内で使っていない
  • 熱を出す家電のスイッチを切った
  • 避難時にブレーカーを落とすか確認した
  • 復旧後、コードや家電を点検した
  • 異臭・煙・異音がないか見守った

よくある質問

停電したら冷蔵庫の食品はすぐ捨てるべきですか?

すぐに全部を捨てる必要はありませんが、扉の開閉を減らし、庫内温度と停電時間を確認してください。温度が上がった生ものや、傷みが疑われる食品は、見た目やにおいだけで判断せず安全を優先します。

停電中にブレーカーは落とした方がよいですか?

災害による停電中に自宅から避難するときは、通電火災を防ぐためブレーカーを落とすことが推奨されています。ただし、濡れた分電盤や危険な場所には近づかず、命の安全を最優先してください。

電気が復旧したら、すぐブレーカーを戻してよいですか?

家電、配線、コードの破損や水濡れ、電熱器具の周囲を確認してから戻します。復旧後もしばらくは、煙・異臭・異音などがないか注意してください。

まとめ:復旧した瞬間までが停電対策

長期停電では、限られた電池と電源を守り、食品、体温、水、家族の健康を順番に確認します。そして電気が戻った後は、家電や配線を点検して通電火災を防ぐことが重要です。

停電中は「電気を守る」。復旧後は「家を守る」。

家族でチェックリストを確認し、今日できる備えから一つずつ始めましょう。

停電対策シリーズ

参考にした公的情報

※本記事は一般家庭向けの防災情報です。建物の損傷、浸水、漏電、火災などが疑われる場合は、自分で復旧作業をせず、消防・電力会社・管理会社・専門業者の指示に従ってください。

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