
停電が数時間、あるいは一晩以上続くと、暗さだけでなく、スマートフォンの充電、冷蔵庫、暑さ・寒さ、断水など、生活への影響が広がっていきます。
さらに注意したいのが、電気が復旧した直後です。倒れた暖房器具や傷んだコードに再び電気が流れると、火災につながることがあります。停電中も復旧後も、慌てず順番に確認することが大切です。
この記事で分かること
- 長期停電で優先すること
- スマホの電池を長持ちさせる方法
- 冷蔵庫と食品の扱い方
- 夏・冬の停電で気をつけること
- 携帯発電機を安全に使う注意点
- 復旧後の通電火災を防ぐ確認手順
停電が長引いたら、まず生活に必要な電気を絞る
停電が長引きそうなときは、残っている電池や電源を「連絡・情報・安全」のために優先して使います。動画視聴やゲームなどは控え、スマートフォン、防災ラジオ、照明、医療機器など、家族にとって重要なものから守りましょう。
スマートフォンの電池を長持ちさせる
- 画面の明るさを下げる
- 省電力モードを使う
- 使わないアプリやBluetoothを停止する
- 必要なとき以外は画面を消す
- 家族全員が同じ情報を何度も検索しない
- 電波が不安定な場所では、必要に応じて機内モードも活用する
家族で決めておきたいこと
情報収集用のスマートフォンを1台決め、ほかの端末は電源を切る方法もあります。ただし、家族が別々に行動する可能性がある場合は、連絡手段を残してください。
冷蔵庫はむやみに開けない
停電中に冷蔵庫を何度も開けると、庫内の冷気が逃げます。まずは扉を閉めたままにし、必要な物を取り出すときは家族分をまとめて出しましょう。
- 冷蔵庫・冷凍庫の扉をできるだけ開けない
- 保冷剤や凍らせたペットボトルを活用する
- クーラーボックスへ移す場合も、開閉回数を減らす
- においや見た目だけで安全を判断しない
- 温度が上がった生ものや傷みが疑われる食品は無理に食べない
厚生労働省は、冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫はマイナス15℃以下を維持することを目安としています。停電で温度が上がった食品は、もったいなくても安全を優先してください。
夏と冬では、停電時の危険が変わる
夏の停電
- こまめに水分を取る
- 日差しを遮り、風の通り道をつくる
- 濡らしたタオルや保冷剤を使う
- 高齢者・乳幼児・体調不良者を優先する
- 危険な暑さなら、電気が使える安全な場所への移動を検討する
冬の停電
- 一つの部屋に集まり熱を逃がさない
- 重ね着、毛布、帽子で保温する
- 窓や床からの冷気を遮る
- 汗をかいた服は早めに替える
- 燃焼器具は説明書に従い、換気と火災に十分注意する
マンションでは断水や設備停止にも注意する
停電すると、建物によっては給水ポンプ、エレベーター、オートロック、機械式駐車場などが動かなくなる場合があります。水が出るうちに浴槽や容器へ生活用水を確保し、飲料水とは分けて管理しましょう。
エレベーターは使わない
一度復旧しても、再び停電する可能性があります。管理会社や自治体から安全が確認されるまでは、できるだけ階段を利用してください。
携帯発電機は屋内で絶対に使わない
ガソリンなどを使う携帯発電機の排気には、一酸化炭素が含まれます。一酸化炭素は目に見えず、においでも気づきにくいため、屋内、自動車内、テント内では絶対に使用しないでください。
- 屋外の風通しのよい場所で使用する
- 窓・ドア・換気口から十分に離す
- 雨や水がかからない場所に置く
- 取扱説明書を確認する
- 自宅配線へ自己判断で接続しない
NITE(製品評価技術基盤機構)は、携帯発電機を屋内で使用すると一酸化炭素中毒のおそれがあり、死亡事故も報告されているとして注意を呼びかけています。
避難するときは、熱を出す家電を確認する
停電したまま家を離れる場合、アイロン、電気ストーブ、ドライヤー、トースターなど、熱を出す家電のスイッチを切り、可能ならプラグを抜きます。災害による停電で避難するときは、安全を確認したうえでブレーカーを落とすことも検討してください。
命の危険が迫っている場合は、作業より避難を優先してください。
浸水した場所、濡れた分電盤、切れた電線には近づかず、電力会社や消防へ連絡します。
電気が復旧しても、すぐ全部の家電を使わない
照明がつくと安心して、すぐに家電を動かしたくなります。しかし、災害後はコードの損傷、水濡れ、家具の転倒などが起きている可能性があります。安全を確認してから、一つずつ電源を戻しましょう。
復旧後の安全確認7項目
- 焦げたにおい、煙、異音がない
- 電源コードが家具の下敷きになっていない
- 家電やコンセントが水に濡れていない
- 電気ストーブなどの周囲に燃えやすい物がない
- 家電本体に破損や変形がない
- ブレーカーを戻す前に家電のスイッチが切れている
- 復旧後しばらくは、煙や異臭がないか見守る
異臭・煙・異音・火花などの異常があれば、使用を中止してブレーカーを落とし、消防や電力会社、専門業者へ連絡してください。見た目に異常がなくても、時間がたってから火災につながる場合があります。
長期停電に備えて用意したいもの
停電が長引いてから買いに行こうとしても、店舗の休業や在庫切れで手に入らないことがあります。平常時に家族の人数と住環境に合う物を準備し、定期的に動作確認しておきましょう。
1.ポータブル電源
スマートフォンだけでなく、照明や小型家電の電源も確保したい家庭に向いています。必要な出力と容量、使用予定の機器、保管方法を確認して選びましょう。
2.クーラーボックス・保冷剤
冷蔵庫の温度上昇に備え、食品や薬などを一時的に保冷するために役立ちます。保冷剤は普段から冷凍しておくと、停電時にすぐ使えます。
3.充電式ランタン
部屋全体を照らすランタンがあれば、食事や家族の待機場所を安全に確保できます。乾電池式と充電式を組み合わせると、電源が切れたときにも対応しやすくなります。
迷ったら、まず「電気をつくる物」より「電気を使わない備え」から
ポータブル電源は便利ですが、ランタン、乾電池、飲料水、非常食、保冷剤、毛布なども欠かせません。家族が何時間・何日過ごす想定なのかを考え、無理のない範囲で少しずつそろえましょう。
家族で確認する長期停電チェックリスト
- スマートフォンを省電力設定にした
- 冷蔵庫の開閉を減らした
- 飲料水と生活用水を分けて確保した
- 夏・冬に応じた体温管理を始めた
- 携帯発電機を屋内で使っていない
- 熱を出す家電のスイッチを切った
- 避難時にブレーカーを落とすか確認した
- 復旧後、コードや家電を点検した
- 異臭・煙・異音がないか見守った
よくある質問
停電したら冷蔵庫の食品はすぐ捨てるべきですか?
すぐに全部を捨てる必要はありませんが、扉の開閉を減らし、庫内温度と停電時間を確認してください。温度が上がった生ものや、傷みが疑われる食品は、見た目やにおいだけで判断せず安全を優先します。
停電中にブレーカーは落とした方がよいですか?
災害による停電中に自宅から避難するときは、通電火災を防ぐためブレーカーを落とすことが推奨されています。ただし、濡れた分電盤や危険な場所には近づかず、命の安全を最優先してください。
電気が復旧したら、すぐブレーカーを戻してよいですか?
家電、配線、コードの破損や水濡れ、電熱器具の周囲を確認してから戻します。復旧後もしばらくは、煙・異臭・異音などがないか注意してください。
まとめ:復旧した瞬間までが停電対策
長期停電では、限られた電池と電源を守り、食品、体温、水、家族の健康を順番に確認します。そして電気が戻った後は、家電や配線を点検して通電火災を防ぐことが重要です。
停電中は「電気を守る」。復旧後は「家を守る」。
家族でチェックリストを確認し、今日できる備えから一つずつ始めましょう。
停電対策シリーズ
- 第1部:停電する前に備えること|家庭で今すぐできる停電対策
- 第2部:突然停電したら最初にすること|安全を守る行動手順
- 第3部:停電が長引いたらどうする?復旧までの過ごし方と通電火災を防ぐ安全確認(この記事)
参考にした公的情報
※本記事は一般家庭向けの防災情報です。建物の損傷、浸水、漏電、火災などが疑われる場合は、自分で復旧作業をせず、消防・電力会社・管理会社・専門業者の指示に従ってください。
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