第2部:「突然停電したら最初にすること|安全を守る行動手順」

防災・防犯
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突然停電したら、最初に大切なのは慌てて動かないことです。

暗闇の中を歩き回ったり、原因を確認せずブレーカーを操作したりすると、転倒・感電・火災につながるおそれがあります。まず明かりを確保し、家族の安全と停電範囲を順番に確認しましょう。

停電が起きた直後は、「電気をつけること」より「事故を増やさないこと」が優先です。

この記事では、突然停電したときに何をすればよいのかを、発生直後から復旧までの順番に沿って解説します。夜間、台風、地震など、状況が違っても使える基本行動です。

この記事で分かること

  • 停電直後の最初の10分にすること
  • 自宅だけの停電か、地域停電かを判断する方法
  • ブレーカーを操作してよい場合・いけない場合
  • 冷蔵庫、スマホ、家電を守る行動
  • 停電復旧時の火災・事故を防ぐ方法

停電した直後の行動|最初の10分

1.その場で止まり、明かりを確保する

突然暗くなったら、すぐ歩き出さず、その場で一度止まりましょう。地震や強風の後は、床に割れたガラスや落下物があるかもしれません。

スマートフォンのライトは緊急用として使えますが、情報収集に必要な電池を消耗します。安全を確認できたら、懐中電灯・ヘッドライト・LEDランタンへ切り替えます。

夜間に最初にすること

  • その場で止まる
  • ライトを手に取る
  • 靴や底の厚いスリッパを履く
  • 階段、窓、割れ物から離れる
  • 子どもや高齢者へ動かないよう声をかける


2.家族の安全を確認する

家族の名前を呼び、けがや体調不良がないか確認します。別の部屋へ移動するときは、足元を照らしながらゆっくり進んでください。

在宅医療機器を使用している人がいる場合は、機器の予備電源へ切り替え、事前に決めた医療機関・メーカー・緊急連絡先へ相談します。電池残量が少ない場合は、早めの移動判断が必要です。

3.火・煙・焦げ臭さ・水濡れを確認する

停電原因を調べる前に、火災や感電につながる異常がないか確認します。

次の異常があればブレーカーに触らない

  • 煙や火が見える
  • 焦げ臭い、異常な音がする
  • コンセントや家電が濡れている
  • 分電盤の周辺が浸水している
  • 電気コードが切れている、焦げている

危険を感じたら安全な場所へ離れ、火災は119番、切れた電線や設備異常は地域の電力会社へ連絡してください。切れた電線には絶対に近づかないでください。

自宅だけ?周辺一帯?停電範囲を確認する

安全を確認したら、次に停電している範囲を調べます。原因によって対応が変わるためです。

確認結果考えられる状態次の行動
家の一部だけ消えている配線用ブレーカー、家電の使い過ぎ、機器故障など使用中の家電を止め、分電盤を確認
家全体が消えている漏電ブレーカー、契約容量、地域停電など屋外や停電情報を安全に確認
近所や街灯も消えている地域一帯の停電の可能性電力会社の停電情報を確認して待機

窓から確認するときは、台風の飛来物や地震後のガラス破損に注意してください。外へ出て見回る必要はありません。電力会社の停電情報、自治体の防災情報、ラジオなど複数の情報源を使いましょう。


ブレーカーはすぐ上げない|安全な確認方法

ブレーカーが落ちているからといって、何度も上げ直すのは危険です。使い過ぎだけでなく、漏電や家電の故障が原因の場合があります。

操作前に確認すること

  • 地震や浸水の後ではないか
  • 焦げ臭さ、煙、火花がないか
  • コードやコンセントに破損がないか
  • 濡れた手で触っていないか
  • 足元が安定しているか

異常がなく、自宅の一部だけ停電している場合は、その回路につながる家電の電源を切り、プラグを抜いてから配線用ブレーカーを確認します。ブレーカーが中間位置で止まっている場合は、いったん「切」まで下げてから「入」にします。

ブレーカーを入れると再び切れる、焦げ臭い、原因が分からない場合は、それ以上操作せず、電力会社や電気工事店へ相談してください。

地震・浸水後は特に慎重に
倒れた電気ストーブ、傷んだ配線、濡れた家電などへ通電すると、復旧後に火災や感電が起こる危険があります。避難するときは、安全に操作できる状況であればブレーカーを切ります。

停電中に家電を守る行動

冷蔵庫・冷凍庫はなるべく開けない

停電したら、冷蔵庫と冷凍庫の扉の開閉を最小限にします。冷気を逃がさないため、必要な物を考えてから短時間で取り出しましょう。

停電時間や庫内温度、食品の種類によって安全性は変わります。復旧後、においや見た目だけで判断できない食品もあるため、不安な食品は無理に食べないでください。


発熱する家電・回転する家電のプラグを抜く

停電前に使っていたアイロン、電気ストーブ、ドライヤー、ミキサーなどは、復電時に突然動き出すと危険です。安全を確認しながら電源を切り、必要に応じてプラグを抜きます。

すべての家電を一斉に戻すのではなく、復電後に状態を確認しながら一つずつ接続しましょう。

エレベーターは使わない

停電や電力の不安定な状態では、エレベーターに閉じ込められる可能性があります。復旧表示だけで自己判断せず、建物管理者の安全確認が終わるまで利用しないでください。

閉じ込められた場合は、無理に扉を開けず、非常ボタンやインターホンで救助を要請します。携帯電話が使える場合は建物管理者や119番へ状況を伝えます。

スマートフォンの電池を長持ちさせる

停電情報や避難情報を確認するため、スマートフォンの電池はできるだけ温存します。

すぐできる節電設定

  • 低電力モード・バッテリーセーバーを使う
  • 画面を暗くし、消灯時間を短くする
  • 不要なアプリと位置情報を停止する
  • 動画視聴やゲームを控える
  • 電波が不安定な場所では必要に応じて機内モードを使う
  • 家族で情報確認用の端末を決める

モバイルバッテリーは一度に使い切らず、連絡と情報収集に必要な分を残します。異常に熱い、膨らんでいる、落下や水濡れがある製品は使用しないでください。


夏・冬・夜間の停電で注意すること

夏は熱中症を最優先に考える

エアコンが止まった室内は短時間でも暑くなることがあります。日差しを遮り、風を通し、水分と塩分を補給します。乳幼児、高齢者、持病がある人、ペットは特に注意してください。

室内で安全を保てないと判断したら、停電していない親族宅、自治体が案内する涼しい施設などへの移動を検討します。ただし、台風や浸水時は屋外移動そのものが危険な場合があります。自治体の避難情報を優先してください。

冬は一酸化炭素中毒と火災に注意する

毛布、防寒着、寝袋、カイロなど、火を使わない防寒を優先します。燃焼器具は製品の取扱説明書に従い、換気を行ってください。

携帯発電機は屋内で絶対に使用しない
屋内、車内、テント内、物置、倉庫では一酸化炭素中毒のおそれがあります。屋外でも、排ガスが窓や出入口から室内へ入らない、風通しのよい場所で使用します。

ろうそくよりLEDライトを使う

暗闇でのろうそくは、余震や転倒、燃えやすい物への着火によって火災につながります。照明は懐中電灯やLEDランタンを優先してください。


停電が復旧したときに確認すること

電気が戻っても、すぐにすべての家電を使い始めないでください。復電時こそ、火災や故障を防ぐ確認が必要です。

  1. 焦げ臭さ、煙、異音がないか確認する
  2. 倒れた家電や濡れた家電には通電しない
  3. ブレーカーを切って避難していた場合は、家の安全確認後に戻す
  4. 発熱・回転する家電の電源が切れているか確認する
  5. 家電を一つずつ接続する
  6. 冷蔵庫内の食品と各種タイマーを確認する

異常があればすぐに電源を切り、使用を中止します。浸水した家電や配線は、乾いたように見えても自己判断で通電しないでください。

停電中にしてはいけない行動

  • 暗闇を裸足で歩く
  • 異常があるのにブレーカーを何度も上げる
  • 切れた電線へ近づく
  • 携帯発電機を屋内・車内・テント内で使う
  • ろうそくを放置する
  • 冷蔵庫を何度も開ける
  • エレベーターを使う
  • 未確認のSNS情報だけで避難を決める

停電直後の行動チェックリスト

  • □ その場で止まり、ライトを確保した
  • □ 靴または底の厚いスリッパを履いた
  • □ 家族のけがと体調を確認した
  • □ 火・煙・焦げ臭さ・水濡れがない
  • □ 自宅だけか、周辺一帯か確認した
  • □ 電力会社・自治体の情報を確認した
  • □ 発熱・回転する家電の電源を切った
  • □ 冷蔵庫の扉を閉めたままにした
  • □ スマートフォンを節電設定にした
  • □ エレベーターを使っていない
  • □ 発電機を屋内で使っていない
  • □ 復電後も家電を一つずつ確認した

よくある質問

停電したらブレーカーを切るべきですか?

自宅を離れて避難する場合や、地震で家電が倒れた、配線が傷んだ可能性がある場合は、安全に操作できる状況でブレーカーを切ります。在宅したまま原因を確認するときは、異常の有無と停電範囲を先に確認してください。

地域停電ならブレーカーは触らなくてよいですか?

基本的には電力会社の復旧を待ちます。ただし、停電前に使っていた発熱・回転する家電は電源を切り、必要に応じてプラグを抜きます。地震や浸水後は復電時の火災に備え、家の安全確認を優先してください。

停電中、車の中で発電機を使えますか?

使えません。車内やテント内での携帯発電機の使用は、一酸化炭素中毒の危険があります。屋外でも窓や出入口から離れ、排ガスが室内へ入らない場所で使用してください。

停電が何時間続いたら避難すべきですか?

時間だけでは決められません。気温、浸水・土砂災害の危険、家族の健康状態、医療機器、建物の安全性などで判断します。自治体の避難情報が出ている場合は、その指示を優先してください。

まとめ|停電直後は「明かり・家族・火・範囲」の順に確認

突然停電すると、すぐ原因を調べたくなります。しかし、最初に必要なのは、明かりを確保し、家族と火災の危険を確認することです。

「明かり→家族→火・水濡れ→停電範囲→情報確認」の順番を覚えておけば、暗闇でも落ち着いて行動できます。

停電が復旧した後も、倒れた家電や濡れた配線へ急に通電しないことが大切です。電気が戻るまでではなく、戻った後までが停電対策です。

停電対策3部作

第1部では、停電する前に家庭で準備したい用品を紹介しています。

第1部:停電する前に備えること|家庭でできる停電対策

第3部では、停電が長期化した場合の在宅避難、食料、衛生、電源の使い方を解説します。

第3部:停電が長期化したときの備え

参考にした公的情報

※停電状況、避難情報、ブレーカー操作は、お住まいの地域の電力会社・自治体・建物管理者の最新案内を確認してください。

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